10年ほど前にチャットで毎晩遊んでいた。
そのときに友人になった連中が全国にいる。
今では殆どの友人とは音信不通状態だ。
その中に仙台在住が1人いた。
その友人はホームページは持っていないがなぜか掲示板だけを持っていて現在もある。
それには時折近況報告などが書かれていて元気なことが伺い知れた。気が向くとこちらからも近況報告らしい文面を書き込んだ。
そして今回の震災。
当然その掲示板に目が行く。しかし友人の書込みはなし。安否が気になる。
しかし、生きていてもネットどころではないはず。まして掲示板の書込みなどは全く意識の外ではるはず。とにかく、生きていると思いたい。
以前に携帯電話で話したことがある。しかし、今持っている携帯の電話帳には記載がない。古い携帯の電話帳データが古いパソコンに残っているかも、と調べてみた。
あった。
電話がつながることを祈りつつ電話をかけてみた。
かかった。
間違いなくその友人の声。あっちはこちらのことがすぐにわかったようだ。登録を残してくれてたようだ。
よかった。生きていた。
仙台駅のすぐ近くのマンションの7階で水害の心配はなかったそうだ。電気も3日後には使えるようになったらしい。家の中は片付いた様子。買い物は行列に並んで買うようだ。固定電話とインターネットは不通だそうだ。今現在の心配としては放射能だと言っていた。
でもね。俺達はお互いの顔も本名も知らないんだよ。
こんな関係なのに、俺は真剣にこの友人を心配し無事を喜び、友人は近況を細かく報告してくれて俺の電話を喜んだ。
俺の中ではこういう友情もありなのです。